親知らずはどう磨く?抜いたほうが良い?歯科医が徹底解説!
目次
親知らずの磨き方と抜歯の判断基準:健康な口内環境を保つために
こんにちは。吉祥寺むらかみ歯科クリニック院長の村上です。
今回は、親知らずの磨き方や抜歯の判断基準について徹底解説します。
親知らず(第三大臼歯)は、奥歯のさらに奥に生えるため、日々の歯磨きが難しく、虫歯や歯周病のリスクが高い歯です。適切なケアをしなければ、他の歯にも悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、親知らずの効果的な磨き方、タフトブラシやデンタルフロスの活用法、そして抜歯すべきケースについて詳しく解説します。
1. 親知らずが磨きにくい理由
親知らずは、一般的に以下のような理由で磨きにくい歯です。
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位置が奥すぎる
親知らずは歯列の最も奥にあり、普通の歯ブラシが届きにくいです。 -
斜めや横向きに生えている
正常にまっすぐ生えていない親知らずは、手前の歯(第二大臼歯)にぶつかり、磨くスペースが狭くなります。 -
歯ぐきに一部埋まっている
一部しか見えていない親知らずは、歯ぐきの下にプラークや食べかすが溜まりやすく、炎症を起こしやすいです。 -
ブラッシングの角度が難しい
通常の歯ブラシでは、親知らずの奥側や側面をしっかり磨くのが困難です。
こうした理由から、親知らずは磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。
2. 親知らずの正しい磨き方
親知らずを健康に保つためには、通常の歯ブラシに加えて、タフトブラシやデンタルフロスを併用すると効果的です。
① 通常の歯ブラシでの磨き方
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奥までしっかり歯ブラシを入れる
親知らずまでしっかり届くように、口を大きく開け、歯ブラシのヘッドを奥まで入れます。 -
歯ブラシの毛先を斜め45度に当てる
歯ぐきとの境目に毛先を当て、小刻みに動かしながら磨きます。 -
歯の裏側や奥も意識する
歯の表側だけでなく、裏側や奥の面もしっかり磨くことが大切です。
② タフトブラシ(ワンタフトブラシ)の活用
タフトブラシとは、先が小さく細かいブラシで、親知らずのような磨きにくい部位をピンポイントで磨くのに適しています。
✅ タフトブラシの使い方
- 親知らずの表面だけでなく、奥側や側面にも毛先を当てて磨く
- 毛先を歯ぐきの下に軽く入れ込むようにして、埋もれた部分の汚れも除去
- 1本ずつ丁寧に磨くイメージで、小刻みに動かす
タフトブラシは、通常の歯ブラシで届かない部分までしっかり磨けるため、親知らずのケアには欠かせません。
③ デンタルフロスや歯間ブラシの活用
親知らずと手前の歯の間には、食べかすやプラークが溜まりやすいので、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが重要です。
✅ フロスの使い方
- 親知らずと手前の歯の間にゆっくり滑らせるようにフロスを通す
- ギコギコと強く動かさず、優しく上下に動かしてプラークを除去
- フロスが入りにくい場合は、ワックス付きのフロスを使うとスムーズ
✅ 歯間ブラシの活用
- 親知らずの周囲にスペースがある場合は、歯間ブラシで汚れをかき出す
- サイズの合わない歯間ブラシは歯ぐきを傷つけるため、適切なサイズを選ぶ
フロスや歯間ブラシを併用することで、親知らずの隙間の汚れを徹底的に除去できます。
3. 親知らずを抜歯したほうがよいケース
親知らずの磨き方を工夫しても、状況によっては抜歯が必要になることもあります。以下のようなケースでは、抜歯を検討したほうがよいでしょう。
① 虫歯になっている場合
親知らずがすでに虫歯になっている場合、治療が困難なことが多いため、抜歯を勧められることがあります。特に、隣の歯(第二大臼歯)まで虫歯が進行すると、健康な歯を失うリスクが高くなります。
② 歯ぐきの炎症や腫れが頻発する場合
親知らずの周囲の歯ぐきが**何度も腫れる(智歯周囲炎)**場合、炎症を繰り返すことで痛みが増し、膿がたまることもあります。このような場合は、抜歯をすることで炎症を根本的に防げます。
③ 斜め・横向きに生えている場合
親知らずが正常に生えておらず、手前の歯にぶつかっている場合は、虫歯や歯並びの悪化の原因になります。このような親知らずは、抜歯が推奨されることが多いです。
④ 口臭の原因になっている場合
親知らずが原因で口臭が気になる場合、磨き残しや細菌の繁殖が関係している可能性があります。歯磨きで改善しない場合は、抜歯を検討しましょう。
4. まとめ:親知らずのケアと抜歯の判断
親知らずは、通常の歯ブラシだけでは磨きにくいため、タフトブラシやデンタルフロスを活用することが大切です。正しいケアを続けることで、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。しかし、親知らずが虫歯になったり、炎症を繰り返したりする場合は、抜歯が必要になることもあります。
親知らずの状態が気になる場合は、歯科医院で相談し、適切なケアや抜歯の判断をしましょう。健康な口内環境を維持するために、日々のケアをしっかり行うことが大切です。