アマルガムとは?現在はあまり使われなくなった歯の詰め物について
- 2026年3月10日
- むし歯
目次
アマルガムとは?現在はあまり使われなくなった歯の詰め物について
こんにちは。吉祥寺むらかみ歯科クリニック院長の村上です。
歯科治療で使われる「詰め物」にはさまざまな種類があります。現在では白い材料であるコンポジットレジンやセラミックなどが主流ですが、以前は「アマルガム」と呼ばれる金属の詰め物が広く使われていました。
古い歯科治療を受けたことがある方の中には、銀色で黒っぽい詰め物を見たことがある方も多いのではないでしょうか。それがアマルガムの可能性があります。
今回は、アマルガムとはどのような材料なのか、なぜ現在ではあまり使われなくなったのか、金属アレルギーとの関係などについてわかりやすく解説します。
アマルガムとはどんな材料?
アマルガムとは、水銀と銀・銅・スズなどの金属を混ぜ合わせて作られる歯科用の合金材料です。練り合わせることで柔らかい状態になり、虫歯を削った部分に詰めて時間が経つと硬く固まる性質があります。
この材料は19世紀から長い間歯科治療に使用されており、以前は虫歯治療の詰め物として非常に一般的でした。特に奥歯の虫歯治療では、多くの歯科医院でアマルガムが使用されていました。

アマルガムが広く使われていた理由
アマルガムが長年使用されてきた理由には、いくつかのメリットがあります。
1. 強度が高い
アマルガムは金属材料のため、噛む力が強くかかる奥歯でも比較的壊れにくいという特徴があります。
2. 比較的安価
材料費が安く、保険診療でも使用できたため、治療費を抑えやすいというメリットがありました。
3. 操作がしやすい
詰める際の操作が比較的簡単で、治療が行いやすい材料とされていました。
このような理由から、長い間多くの歯科治療で使用されてきました。
現在はあまり使われていない理由
しかし現在では、日本の歯科医院でアマルガムが使用されることはほとんどなくなっています。その理由として、次のような点が挙げられます。
1. 見た目の問題
アマルガムは銀色の金属のため、歯に詰めるとどうしても目立ってしまいます。また、時間が経つと黒っぽく変色することもあり、審美的な観点から好まれないことが多くなりました。
現在は歯の色に近い材料で治療できるようになったため、見た目を重視して白い材料が選ばれるケースが増えています。
2. 金属アレルギーの可能性
アマルガムには複数の金属が含まれているため、人によっては金属アレルギーの原因になる可能性があります。
金属アレルギーは、金属が唾液などによって溶け出し、体内で免疫反応を引き起こすことで発症すると考えられています。症状としては、
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口の中の違和感
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口内炎
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歯ぐきの炎症
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皮膚の湿疹やかゆみ
などが現れる場合があります。
すべての人に起こるわけではありませんが、金属アレルギーのリスクを考慮して、現在では金属を使わない治療が選ばれることが増えています。
3. 歯への負担が大きい場合がある
アマルガムは歯に接着する材料ではなく、詰め物の形で固定する構造のため、場合によっては歯を大きく削る必要があることがあります。
現在の歯科治療では「できるだけ歯を削らずに残す」という考え方が重視されており、歯に接着する材料が主流となっています。
4. 水銀に対する安全性への懸念
アマルガムには水銀が含まれているため、安全性について議論されることもあります。歯科用アマルガムは化学的に安定した状態で使用されるため、通常の使用で健康被害が出る可能性は低いとされていますが、水銀を含む材料を避けたいと考える患者さんも増えています。
このような背景から、世界的にもアマルガムの使用を減らす流れが進んでいます。

すでにアマルガムが入っている場合はどうする?
過去に治療を受けた歯にアマルガムが入っている場合でも、必ずしもすぐに交換する必要があるわけではありません。
次のような場合には、歯科医院で相談することをおすすめします。
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詰め物の周囲に虫歯ができている
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詰め物が欠けたり外れたりしている
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金属アレルギーが疑われる症状がある
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見た目が気になる
現在では、コンポジットレジンやセラミックなど、金属を使わない材料で治療を行うことも可能です。歯の状態によって適した治療方法が異なるため、歯科医師と相談しながら判断することが大切です。

これからの歯科治療は「体にやさしい材料」へ
近年の歯科治療では、
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見た目の自然さ
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金属アレルギーへの配慮
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歯をできるだけ削らない治療
といった点が重視されるようになっています。
そのため、白い詰め物であるコンポジットレジンやセラミックなど、身体への影響が少なく審美性の高い材料が広く使われるようになっています。
まとめ
アマルガムは長い歴史を持つ歯科材料で、以前は虫歯治療の詰め物として広く使用されていました。しかし、
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見た目の問題
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金属アレルギーの可能性
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歯を削る量の問題
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水銀を含む材料への懸念
などの理由から、現在の歯科治療ではほとんど使用されなくなっています。
すでにアマルガムが入っている場合でも、必ずしも問題があるわけではありませんが、気になる症状や見た目の悩みがある場合は歯科医院で相談してみましょう。
歯科医師と相談しながら、ご自身にとって安心できる治療方法を選ぶことが大切です。定期的な検診と適切なメンテナンスを行い、健康な歯を長く保っていきましょう。
