保険適用のCAD/CAM冠と自費のセラミックとの違いって?
目次
保険適用のCAD/CAM冠と自費のセラミックとの違い
こんにちは。吉祥寺むらかみ歯科クリニック院長の村上です。
歯の治療において、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)の選択は、見た目と機能の両面で重要な役割を果たします。
特に、保険適用のCAD/CAM冠と自費でのセラミック冠の選択においては、患者にとってコストや品質が大きな決定要因となります。
本記事では、保険適用のCAD/CAM冠と、自費のセラミック冠との違いについて詳しく解説します。
保険適用のCAD/CAM冠とは?
保険適用のCAD/CAM冠は、日本の歯科保険制度において一部の条件下で使用が認められている修復物です。
CAD/CAM技術を使用して、コンピュータ支援設計(CAD)とコンピュータ支援製造(CAM)により作成されます。
主な材料としては、レジンが使用されており、これらは天然歯に近い見た目を提供しながらも、比較的低コストで提供されます。
保険適用のCAD/CAM冠のデメリット
1. 材料の制限
保険適用のCAD/CAM冠に使用される材料は、主にレジンです。
この材料は強度や耐久性が劣ることがあり、特に奥歯のような強い咬合力がかかる部分では割れやすいというリスクがあります。
2. 色調の一致が難しい
保険適用のCAD/CAM冠では、色調の選択肢が限られているため、天然歯の色合いに完全に一致させることが難しい場合があります。
これにより、前歯などの目立つ部分での審美的な要件を満たすのが難しくなることがあります。
3. 審美性の限界
使用される材料が制限されているため、保険適用のCAD/CAM冠は透明感や光沢がセラミック冠に比べて劣ることがあります。
このため、見た目に敏感な患者にとっては満足度が低いことがあります。
4. 耐久性の問題
レジンやハイブリッドセラミックは、セラミックに比べて摩耗しやすい性質があります。
そのため、長期間の使用においては形状が変わったり、咬合面が削れるなどの問題が発生することがあります。
自費のセラミック冠との違い
1. 材料の品質
自費のセラミック冠では、純粋なセラミックやジルコニアが使用されます。
これらの材料は非常に強度が高く、耐久性に優れています。
特にジルコニアは割れにくく、咬合力の強い奥歯にも適しています。
2. 審美性の高さ
セラミック冠は、天然歯に非常に近い色合いと透明感を持ち、光の透過性も高いため、自然な見た目を提供します。
また、色調の微調整が可能であり、患者の歯の色に合わせたカスタムメイドが可能です。
これは前歯の修復において特に重要です。
3. 適合性の精度
自費のセラミック冠は、通常、非常に高精度に製作されます。
CAD/CAM技術を使用する場合でも、より高度な設備と材料を使用するため、保険適用のものよりも精度が高い傾向にあります。
これにより、患者の快適さと長期的な適合性が向上します。
4. コストの違い
自費のセラミック冠は、保険適用のCAD/CAM冠に比べてコストが高くなります。
これは、使用される材料の品質や製作プロセスの複雑さによるものです。
しかし、長期的には耐久性や美観の面で優れているため、投資として考えることができます。
まとめ
保険適用のCAD/CAM冠と自費のセラミック冠には、それぞれ異なる利点とデメリットがあります。
保険適用のCAD/CAM冠は、コストを抑えつつ基本的な機能を提供しますが、耐久性や美観において制約があります。
一方、自費のセラミック冠は高コストながら、見た目や耐久性で優れた結果を提供します。
歯科治療を選択する際には、自分の予算、治療の目的、そして美観や機能性のニーズを考慮に入れて、最適な選択をすることが重要です。
歯科医師と十分に相談し、自分に最も適した治療法を選ぶことで、長期的な口腔の健康と満足度を保つことができます。