小児矯正(Ⅰ期治療)ってなに?
目次
小児矯正(Ⅰ期治療)ってなに?
「小児矯正と成人矯正って何が違うの?」と思っていませんか?
小児矯正は、未来の歯並びや噛み合わせが自然に整うのをサポートする治療であり、今ある歯を動かして見た目を整えることに特化した成人矯正とは少し目的が異なります。
ベストなタイミングで治療をはじめるためにも、小児矯正の特徴や成人矯正との違いについて正しく把握しておきましょう。
小児矯正とは
小児矯正は、乳歯列期~混合歯列期の小児を対象とした矯正治療です。成人矯正にはない「顎骨の成長を活かした治療」ができ、顎骨を無理なく広げることで成人矯正での抜歯のリスクを最小限に抑えられます。
また、使用する装置や追加する内容によっては口周りの筋肉が鍛えられ、ボーっとしているときにお口が開いてしまうケースや、舌を前に出す癖があるケース、指しゃぶりが長引いているケースなどの改善に効果的です。
小児矯正のメリット
小児矯正には、成人矯正にはないメリットが多く存在します。
具体的にどのようなものがあるかを以下でみていきましょう。
顎の正常な発育を促す
顎の発育には、歯並びだけでなく口周りの筋肉のバランスや食生活なども関係しています。
小児歯科では、装置を使用したり口周りの筋肉を鍛えたりして歯を正しい位置へと誘導するほか、食生活のアドバイスなども行っております。骨格の問題を手術なしで解決できるのは、小児矯正の大きな強みといえるでしょう。
抜歯を避けられるかも
顎骨を広げることで、永久歯が並ぶために必要なスペースを確保できます。
顎骨の成長は12歳ごろで止まるため、それ以降の矯正治療でスペースを確保する場合は抜歯が必要です。
健康な歯であっても対象となるため、小児矯正でできるだけリスクを下げておくことをおすすめします。
お口周りの悪癖の改善
「ボーっとしているときにお口が開いている」「舌を前に出す癖がある」「唇やタオルを噛む癖がある」などは、将来の歯並びや噛み合わせが悪くなる原因です。
全身の健康に悪い影響を与える可能性もあるため、注意しなくてはいけません。
小児矯正では、装置や特殊なトレーニングを用いてお口周りの筋肉を鍛え、悪癖の改善をサポートします。
虫歯や歯周病のリスクが下がる
歯並びが整い歯磨きがしやすくなると、虫歯や歯周病のリスクが下がります。
お口のなかに対する関心が早い段階から高まることも、小児矯正の大きなメリットといえるでしょう。
小児矯正を行うタイミング
小児矯正を行うベストなタイミングは人によって異なり、それを知るには事前検査が欠かせません。
上下の前歯8本と第1大臼歯が生え揃った7〜8歳ごろが最適なタイミングであることが多いため、気になる方は一度カウンセリングを受けてみましょう。歯科医院によっては3〜5歳ごろから治療をはじめることもあります。
反対咬合などはもっと早い段階から治療が必要なケースも
反対咬合は、生え変わりの時期に自然と治るケースもありますが、原因によっては悪化する可能性もあります。
小学生になったタイミングで一度歯科医院に相談するのがおすすめです。
小児矯正の装置の一例
小児矯正では、患者様のお口の状況やご年齢に適切な装置を選択します。
よく使われる装置は以下の4つです。
拡大床
顎骨を徐々に広げる装置です。取り外しが可能で、ネジを回すことで装置の幅が変わる仕組みになっています。
インビザラインファースト
乳歯と永久歯が混ざっている時期に使用するマウスピース型の装置です。
見た目が透明なため、装着中も人目が気になりません。薄くて違和感が少ないのも大きな特徴です。
ムーシールド
反対咬合を改善するための装置で、柔らかい素材でできていてはめても痛くないのが特徴です。3歳から使用できます。
マルチブラケット装置
歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付けてワイヤーをとおす方法です。
1本1本の歯を細かく動かせるため、難しい症例はもちろん微調整にも使用されます。
Ⅱ期治療について
Ⅰ期が終わって永久歯が生え揃った段階で、噛み合わせや歯並びに修正が必要な場合に矯正治療の仕上げとして行われます。
使用する装置は、主にブラケットです。
まとめ
小児矯正を受けることで「手術をせずに顎骨を広げられる」「お口周りの悪癖を直せる」「成人矯正での抜歯のリスクを抑えられる」「虫歯や歯周病のリスクを早い段階から下げられる」といったメリットが得られます。
お口の状態は全身の健康とも深く関係しているため、できるだけ早めに整えておくといいでしょう。
当院では、お子様のお口の状態やご年齢に合わせた最適な治療法をご提案しております。
歯並びや噛み合わせで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。